d-value 診断の価値を追及する エイテック株式会社

突発事故を許さない!「画期的な設備機器予知診断」を実現


 
 
診断事例
高調波について






  

 診断結果を見る       
    
    

   高調波とは基本波の整数倍の次数であり、周期性を有しています。
   (ノイズに周期性はありません)

   例えば基本波60Hzの第2次高調波は120Hz、第4次高調波は240Hzとなります。

    モータの「機械部の異常・劣化」を表す高調波には主として第2次、第4次が含まれています。
   第2次と第4次が含まれることで図1のような「合成波形(歪波形)」になります。

   一方、モータの「電気部の異常・劣化」では第3次と第5次が含まれることで図2のような「合成
   波形(歪波形)」になります。

       

                              図1 「機械部の異常・劣化」の高調波波形
                          ◆回転軸・軸受・ハウジング   
                          ◆主成分第2次、第4次






図2 「電気部の異常・劣化」の高調波波形
◆巻線・エアギャップ      
   ◆主成分:第3次、第5次
      






 モータの劣化部位と高調波成分について                      


 

劣 化 部 位
第1次主成分
下段は寄与率
寄与する次数(得点順)
  下段は寄与率
 累積
寄与率

 

 回転軸・軸受・据付け
2次
 4次・3次・5次
 86%
55%
 16%・ 9%・ 6%
 固定子巻線の絶縁
3次
 5次・2次・4次
 95%
61%
 22%・7%・5%
 軸受・ハウジング損傷
4次
 2次・3次・5次
 82%
41%
 23%・10%・ 8%
 エアギャップ不均一
5次
 3次・4次・2次
 93%
59%
 20%・8%・6%


      

  ■設備機器が異常や劣化を起こすと高調波を発生します。KSシリーズは「モータ部」「負荷部」「インバー
    タ部」の異常・劣化判定基準として「2次から40次」の高調波をサーチコイルを用いて採取しFFT変換後
    数値化し長年蓄積したデータを基に分解・分析することで機器の劣化部位を特定します。

       
  ■モータ (電気的要因)
    固定子と回転子間のエアギャップに塵埃付着や振動等の異常が発生すると、回転子に「偏心アンバラン
    ス」が生じ空間磁束波形に乱れが生じます。叉「巻線絶縁(例:レア絶縁)」の劣化や巻線の部分過熱の
    発生は巻線電流によって生じる漏れ磁束の分布波形に歪を生じさせます。その結果電流に高調波が生
    まれます。


  ■モータ (機械的要因)
    モータ及びその負荷部の稼動時には固有振動数が発生しています。劣化が促進したり異常が発生した
   場合は固有振動数に変化が生じます。変化した振動数は機械的な共振となります。その結果電流に高
   調波が含まれることになります。


  ■インバータ
    インバータから発生する高調波は全て電気・電子部分から発生しています。例えば三相交流電源を直流
    電源に変換する場合は平滑コンデンサを使用しますがコンデンサは充電時のみパルス状電流が流れる
    特徴があります。しかし交流電源と直流では電流の流れ方が異なるため、正弦波とパルス波形が合成さ
    高調波が発生します。通常平滑コンデンサが理想的な場合は充電電流に起因するパルス状電流は流れ
    ませんが劣化が促進されると静電容量が低減し、低次数の高調波成分が増加します。